マカオ編3
そして、5分程の後、890番の女性がやって来た。
軽く自己紹介をした。女性の名前はハン、年齢は23歳、ベトナム人であった。
その後は日本のソープのような形である。
個室内にシャワーがあるため、そこでシャワーを浴びる。
この時、ハンの胸を少し堪能した。
かなり大きく形が整っているのだが、少しハリが感じられる。おそらく整形だろう。
しかし、どうでもいい。所詮、一時間だけの相手なのだから。
そして、シャワー後、ベッドへ行き、セックス(ゴム付)となった。
セックスの途中、正常位になった際、ちょっとした事に気付いた。
ベッドの枕元の横脇に、台座のような小さな机があるのだが、
その机の上にロウソクがあったのである。
その時の私は、「電力事情が不安定で、停電の時に使うのだろう」と思い、
特段気にせず腰を振っていた。
・・・そして、発射した。
このお店のルールとして、一回発射したら終了となり、シャワーを浴び、
女の子と共に部屋を出るのである。
しかし、発射後もハンは終了の雰囲気を出さない。
「なんだろう」と考えていたところ、ハンが私に一言を告げた。
「両手を前に出して」
「なんだろう part2」である。しかし、私は言われるままに両手を前に出した。
すると、
「カチャッ」
手錠をかけられた。一部がビニール製なので、玩具の手錠である。
そして、さらにハンは私に告げた。
「両手を上に挙げて、ベッドの上で仰向けになって」
「なんだろう part3」である。しかし、私は言われるままにした。
セックスの騎乗位の時に気付いていたが、その部屋の天井は鏡である。
どうでもいいが、なぜこういった空間はやたらと鏡が多いのか。
私はベッドの上で両手を上に挙げて、仰向けになった。
その姿が天井の鏡に映っている。
当時、私は29歳だった。そして、このように思った。
「オレはなぜ29歳になって、海外で全裸で両手に手錠をかけられたまま仰向けになっているのか」
一方、ハンの方を見ると、ハン持参のポーチの中で何かを探している。
どうも目当ての物が見つからないらしい。
そして、ハンは私に告げた。
「ライターを取って来るから、1分程待ってて」
・・・ライター?!聞き返す間もなく、ハンは部屋を出て行った。
天井の鏡を見ながら、全裸の私は熟考した。
ライター、手錠、ロウソク。熟考して3秒で答えは出た。
ちなみに先に言うが、私はSM好きではない。そして、今まで経験もなかった。
程なくして、ハンはライターを持って戻ってきた。
そして、予想通り、枕元の横脇の机からロウソクを取り、ライターで火を点けた。
この時の部屋の状況を文字に表すと下記である。
・右手に火の点いたロウソクを持ち、微笑んでいるベトナム人の女性、ハン
・両手に手錠がかけられ、全裸かつ仰向けで「what do you do?」と叫んでいる日本人の男、私
そして、ハンは笑顔で告げた。
「Are you ready?」
何が「ready」だ。私がyesやnoを答える前に、ハンはロウソクを私の腹部上方で傾けた。
地球の重力に従い、大量のロウが私の腹部に降り注いだ。
「くぁwせdrftgyふじこlp;@」
SM用に低温ロウソクなるものがあると聞いたことがあったが、これはただのロウソクであった。
この時の部屋の状況を文字に表すと下記である。
・右手に火の点いたロウソクを持ち、大爆笑しているベトナム人の女性、ハン
・両手に手錠がかけられ、全裸かつ仰向けで「熱い、熱い」と日本語を連呼して悶えている日本人の男、私
後々に分かったことだが、胸に付いていた番号の800番台は「SM女性」だったらしい。
つまり、「890番」を選んだ時点で私のこの運命は決まっていたのである。(続く)



